浴槽の内側にメジャーを当てて「幅70cm、長さ110cm」と控え、同じ数字のふたを注文した。届いたふたを載せてみると、片側に寄せただけでフチから外れて湯船にずり落ちそうになる。あるいは逆に、外側の大きさで選んだつもりが、壁に当たって最後まで置けない。風呂ふたの買い間違いは、こうした「どこを測ったか」の取り違えから起こりやすいものです。

この記事のタイトルの問いに先に答えます。ふたは浴槽の「フチ」に載せて使うものなので、内寸だけでは足りません。主に見るのはフチを含めた外側の寸法で、内寸はその確認用です。そのうえで、壁との隙間(置ける余裕)も合わせて照合します。以下、測る前の準備から、特殊な浴槽の扱い、記入メモ、探し方まで順に進めます。

STEP1 よくある失敗の場面を先に知る

失敗は大きく二つの型に分かれます。どちらも「測った場所」と「ふたが載る場所」がずれていることが原因です。

  • 内寸で測って落ちる型:浴槽の内側の寸法は、湯をためる空間の大きさです。ふたはその空間に入れるのではなく、空間の上にまたがせて置くので、内寸と同じ大きさでは載せる面(フチ)が残りません。コメリの解説では、内寸で測ると落ちてしまう、とされています(二次的な情報のため、実際はメーカーの表示で確認してください)。
  • 外寸より大きくて壁に当たる型:逆にふたが浴槽の外寸より大きいと、壁や壁際の設備に当たって置けなくなります。同じくコメリの解説で、外寸より大きいと壁に当たる、という趣旨の注意があります。

東プレの案内では、風呂ふたはフチ(フランジ)に十分かかるサイズを選ぶこと、サイズが合わないと保温性が下がるだけでなく事故につながることがある、とされています。「入ればいい」ではなく「フチにしっかり載ること」が基準です。たとえば小さなお子さんがふたの上に乗ってしまったり、ふたの端を持って片側だけ持ち上げたりする場面は日常的にあります。そのときにふたが載っている面積が少ないと、ずれやすくなります。

STEP2 測る:内寸・外寸・フチ幅の3点セット

なぜ「3か所」測るのか

浴槽には、湯の入る内側の寸法(内寸)、フチを含めた外側の寸法(外寸)、そしてその差であるフチの幅があります。内寸と外寸のどちらか片方しか分からないと、残りの寸法が想像できず、ふたの余裕も判断できません。3点を測ると、片方を間違えても気づけます。

測る場所何を表すかふた選びでの役割誤解しやすい点
内寸(縦・横)湯をためる空間の大きさふたが「落ちないか」の確認この数字でふたを選ぶと、載る面が残らず落ちやすい
外寸(縦・横)フチを含めた浴槽上面の大きさふたの大きさの主な基準外寸より大きいふたは壁に当たる場合がある
フチの幅外寸と内寸の差(片側分)ふたが載る面の広さを知る内寸と外寸を別々の日に測ると差が合わなくなる
壁までの間口浴槽の左右・前後に空いている距離ふたを置いたり外したりできる余裕浴槽が壁に3方向で接していると、同寸のふたは入りにくい

測り方の手順

  • ☐ 湯を抜き、浴槽の水気を拭いて、メジャーがたるまないよう床から少し浮かせて持つ(コンベックスのような硬いメジャーが扱いやすいです)
  • ☐ 内寸:フチの上端の内側から、反対側の内側までを、縦方向と横方向で測る
  • ☐ 外寸:フチの上面の外側の端から、反対側の外側の端までを、縦方向と横方向で測る
  • ☐ それぞれ2回ずつ測り、数字が違えばもう一度測り直す
  • ☐ フチの幅:外寸と内寸の差を2で割った数字と、実際にフチにメジャーを当てた数字が近いか確認する
  • ☐ 数字は単位(cm)を揃えて、ミリ単位まで記録する

東プレの案内では、オーダーの場合の注文サイズは実寸とされています。つまり、測った数字がそのまま製作の基準になります。余裕を見込んで大きめに書いたり、小さめに書いたりした数字は、そのまま製品の寸法になってしまうので、測った値を丸めずに書く習慣をつけるほうが安全です。

STEP3 見る:フチの形・段差・壁の状況を目で確認する

寸法だけでは見落とすものがあります。メジャーを当てる前後で、浴槽まわりを次の観点で見ておきます。

  • フチの上面が平らか:フチが丸みを帯びている、段がついている、内側に向かって傾斜している場合は、載る面積が数字ほど広くありません。同じフチ幅でも、平らな面は一部だけということがあります。
  • フチの片側だけ幅が違わないか:水栓側や、エプロン(浴槽側面のカバー)付近は幅が違うことがあります。左右で測り比べておきます。
  • 壁の状況:浴槽が壁に何方向で接しているか。東プレの案内では、3方向が壁に接している場合は同寸のふたが入らない可能性がある、とされています。ふたは平たい板のまま上から載せるわけではなく、斜めに差し入れる動作が必要になるためです。
  • 手すり・水栓・棚の位置:浴槽のそばに突き出た設備があると、ふたが浴槽の上に載っても、広げる、たたむ、巻くといった動作で当たることがあります。

この「見る」の段階で、自分の浴槽がシンプルな長方形か、そうでないかを分けておくと、あとの照合が短く済みます。

STEP4 照合:測った数字と商品の表示を突き合わせる

ふたの「表示サイズ」が何を指すか確認する

風呂ふたの商品名に書かれた「70×109cm」のような数字は、ふた自体の大きさを示す場合と、適合する浴槽の大きさを示す場合があり得ます。ここは商品ごとに違うことがあるため、ページの寸法欄や取扱説明書で「ふたの寸法」なのか「適合する浴槽サイズ」なのかを確認します。東プレ以外のメーカーのサイズ表の読み方は、ここでは確認できた範囲を超えて断定せず、各メーカーの表示・公式のサイズ表で確認する前提で進めてください。

照合のチェックリスト

  • ☐ ふたの寸法(縦・横)が、自分の外寸以下で、内寸より十分に大きいか
  • ☐ 外寸より大きい寸法の場合、壁までの間口に収まる計算になっているか
  • ☐ 組み合わせ式(複数枚のふた)の場合、間口を1〜2cm控えた数字で見ているか(東プレの案内で、組み合わせタイプは間口を1〜2cm控えるとされています)
  • ☐ 3方向が壁なら、同寸のふたは入らない可能性を前提に、1サイズ小さい候補も見ているか
  • ☐ 自分の浴槽の内寸に対して、ふたの寸法がフチに十分かかる大きさか

具体例で考えます。外寸が長さ110cm、幅70cmの浴槽で、壁が3方向に接していると仮定します。ふたを外寸と同じ110×70cmにすると、フチにはぴったり載るはずですが、壁際で入れる動作ができず、上から落とすようにしか置けません。この場合は、間口をわずかに控えた寸法のほうが、置きやすさと載り具合の両方を満たしやすくなります。

STEP5 例外・落とし穴:標準の測り方が通用しない浴槽

浴槽が変形(角が丸い・段がある・左右非対称)の場合

角が大きく丸い、片側に段がある、台形に近いといった浴槽では、縦横の2つの数字だけでは形が伝わりません。東プレのFAQでは、変形の浴槽は型紙を取って対応する、とされています。新聞紙や模造紙を浴槽の上に置いてフチの形を写し取り、その型紙を基準に寸法を確認する、という方法です。型紙には、フチの外形と、水栓などの突起物の位置も書き込んでおくと見落としが減ります。

オーダー品は返品を前提にしない

東プレのFAQでは、オーダー品は返品不可とされています。既製サイズが合わないからオーダーにする、という判断は自然ですが、注文サイズは実寸が基準になるため、測り違いがそのまま製品の誤差になります。注文前に、測った数字を別の日にもう一度測り、同じ値になるかを確認しておくと安全です。

既製サイズの対応表は、メーカーごとに確認する

既製品のサイズ展開は、メーカーごとに違います。東プレ以外の既製サイズ表は、この記事では確認が取れていないため、数字を挙げません。気になるメーカーが決まっている場合は、そのメーカーの公式サイトのサイズ表や、製品ページの「適合サイズ」欄を、自分の記入メモの数字と並べて確認してください。

ふたの種類による「置き方・しまい方」の違い

ふたの種類によって、必要な余裕は変わります。サイズだけでなく動かし方も見ておきます。

ふたのタイプ寸法面で気にする点動作面で気にする点
組み合わせ(複数枚)間口は1〜2cm控える1枚ずつ外すため、置く場所と立て掛け場所が必要
折りたたみ広げた状態の寸法がフチに載るかたたんだ状態の厚みや、掛ける場所の幅
シャッター(巻き)幅方向がフチに載る寸法か巻いた状態の長さが、浴槽の端に収まるか

つまり、同じ「70×110cm」の浴槽でも、組み合わせ式なら間口を控えた寸法、折りたたみやシャッターなら広げた状態の寸法を基準に、見るべき数字が変わります。

STEP6 記入メモ:自分の数値を書く表

測った数字を、後から見返せるように下の表に書き込んでおきます。紙に写して、買い物の際にスマートフォンで撮影して持ち歩く使い方もできます。

項目測った数値(cm)測り直しの数値(cm)メモ
内寸 長さ
内寸 幅
外寸 長さ
外寸 幅
フチ幅(左・右・手前・奥)平らな面の幅か、傾斜込みか
壁に接する方向の数( )方向3方向なら同寸は入らない可能性
手すり・水栓・棚など突起物の位置型紙に書き込んだか
置けるふたのタイプ組み合わせ/折りたたみ/シャッター置き場・しまう場所

記入したら、内寸と外寸の差が、フチ幅の左右の合計と合っているかを見ます。数字がずれていれば、どこかの測り間違いです。

STEP7 探し方:検索条件の例

サイズが決まったら、通販サイトや公式サイトで候補を絞ります。検索窓に入れる言葉の例を挙げます。

  • 「風呂ふた 70×110」のように、外寸に近い数字を入れる(内寸ではなく)
  • 「風呂ふた 組み合わせ 3枚」のように、タイプを先に絞る
  • 「風呂ふた シャッター 75×140」のように、タイプとサイズを組み合わせる
  • メーカー名で絞り、公式サイトのサイズ表と並べる(例:「東プレ 風呂ふた サイズ表」)
  • 「風呂ふた 型紙 オーダー」で、変形浴槽の注文方法を確認する

検索結果は、商品名の寸法表記がふたの寸法なのか、適合浴槽なのか、商品ごとに違うことがあります。商品ページの寸法欄と説明文を読み、STEP4のチェックで確認してください。

探し方の実例:紹介する5つの商品

ここからは、検索で見つかる商品の例を、タイプ別に紹介します。いずれも商品名に書かれた情報の範囲で述べており、自分の浴槽に合うかは、記入メモと照合して判断してください。

組み合わせ式の例として、「オーエ 組み合わせ風呂ふた L-14 3枚組」があります。商品名には3枚組で、防カビ・抗菌をうたう日本製とあります。複数枚に分かれるタイプなので、間口に余裕を見る必要があるタイプの代表例です。

オーエ 組み合わせ風呂ふた L-14 3枚組
オーエ 組み合わせ風呂ふた L-14 3枚組

同じく組み合わせ式の「東プレ Ag抗菌 アルミ組み合わせ風呂ふた U11」は、商品名に68×108cmとあります。3枚で構成されるタイプで、間口を1〜2cm控える考え方(東プレの案内)を当てはめて確認するのに向いた例です。

東プレ Ag抗菌 アルミ組み合わせ風呂ふた U11
東プレ Ag抗菌 アルミ組み合わせ風呂ふた U11

折りたたみ式の例が「東プレ 折りたたみ風呂ふた M11 Ag+」です。商品名には70×109cmとあります。広げた状態で浴槽に載せるタイプなので、広げたサイズがフチに十分かかるかを確認します。

東プレ 折りたたみ風呂ふた M11 Ag+
東プレ 折りたたみ風呂ふた M11 Ag+

シャッター式の例が「東プレ シャッター式風呂ふた L14」です。商品名には75×139cmとあります。巻いて収納するため、浴槽の端に巻き取り分の余裕があるかも合わせて見ておきます。

東プレ シャッター式風呂ふた L14
東プレ シャッター式風呂ふた L14

もう一つのシャッター式は「ベルカ Ag+ 巻きシャッター風呂ふた MS-SL15-W」で、商品名には75×152cmとあります。縦方向が長い浴槽向けの寸法例ですが、東プレ以外の既製サイズ表は本記事では確認していないため、適合の判断は製品ページの適合表示とメーカーの案内で行ってください。

ベルカ Ag+ 巻きシャッター風呂ふた MS-SL15-W
ベルカ Ag+ 巻きシャッター風呂ふた MS-SL15-W

なお、ここで挙げた5つは、どれも既製サイズのものです。変形浴槽や、既製サイズに当てはまらない浴槽の場合の例ではなく、そうした場合は東プレのFAQにある型紙とオーダーの方法を確認してください。

よくある失敗・見落としがちな点

1. 「測った数字」と「商品の表示の意味」がずれる

自分は外寸を測ったのに、商品の表示は適合する浴槽の内寸を指していた、というずれです。商品の寸法欄を読むとき、「ふたの寸法」と「対応する浴槽」の項目が別に書かれているかを探します。見つからなければ、メーカーに問い合わせるか、取扱説明書を確認します。

2. 浴槽は測ったが、壁側の余裕を測っていない

浴槽の外寸が合っていても、壁との間隔が足りないと置けません。東プレの案内にある通り、3方向が壁なら同寸は入らない可能性があります。外寸ぴったりで選ぶ前に、実際にふたを斜めに差し入れる動作が成り立つか、型紙で試してみるのが確実です。

3. 測りやすい場所だけを測って、ほかの位置の違いに気づかない

フチの幅は、場所によって違うことがあります。水栓のそば、エプロン付近、角の部分などです。1か所で測ったフチ幅をそのまま全体に当てはめず、少なくとも4か所を確認しておきます。

購入前の最終確認:3つのチェック

  • ☐ 測った数字は2回で一致したか(内寸・外寸・フチ幅が整合しているか)
  • ☐ ふたの表示サイズが何を指すか、メーカーの表示で確認したか(ふたの寸法か、適合浴槽か)
  • ☐ 壁に当たらずに置ける余裕を確認したか(3方向が壁なら間口を控えた候補も見たか)

よくある質問

Q1. 結局、内寸と外寸のどちらを基準に選べばよいですか?

主な基準は外寸(フチを含む寸法)です。内寸はふたが落ちないかの確認に使います。ふたがフチに十分かかることが基本とされています(東プレの案内)。外寸より大きいふたは壁に当たる場合があるので、壁までの間口も合わせて確認してください。

Q2. 外寸ぴったりのふたを買えば問題ありませんか?

浴槽が壁に3方向で接している場合、同寸のふたは入らない可能性があるとされています(東プレの案内)。また、組み合わせタイプは間口を1〜2cm控える考え方が示されています。外寸ぴったりを選ぶ前に、置く動作が成り立つかを確認してください。

Q3. 浴槽が角丸だったり、形が変わっていたりします。

東プレのFAQでは、変形の場合は型紙で対応する、とされています。新聞紙などで浴槽上面の形を写し取り、水栓などの突起物の位置も書き込んでおくと、サイズ確認や注文時に伝えやすくなります。

Q4. オーダーでふたを作って、合わなかったら返品できますか?

東プレのFAQでは、オーダー品は返品不可とされています。注文サイズは実寸が基準なので、測った数字を別の日に測り直して、同じ値になることを確認してから注文してください。

Q5. 内寸しか分かりません。外寸が測れない場合は?

内寸だけで選ぶとふたが落ちやすいとされているため、内寸のみでの決定はおすすめしません。まずフチの幅を実測して、内寸にフチの幅(左右分)を足した外寸を求めます。浴槽の取扱説明書や、住宅設備メーカーの仕様書に外寸が記載されていることもあります。それでも判断が難しい場合は、型紙を取る方法が確実です。

参照した情報・更新日

東プレのFAQ・公式通販の案内は、2026年9月21日時点の内容を確認しました。本記事の更新日は2026年10月9日です。

  • 東プレ FAQ・公式通販(フチに十分かかるサイズ、保温性と事故、注文サイズは実寸、3方向が壁の場合の注意、組み合わせタイプの間口、変形浴槽の型紙、オーダー品の返品不可)
  • コメリの風呂ふたのサイズの選び方に関する解説(内寸で測ると落ちる、外寸より大きいと壁に当たる:二次的な情報として参照)
  • 製造元のサイズ表(各メーカーの公式サイトの製品ページ。東プレ以外の既製サイズ表は、本記事では内容を確認していません)